ISO 41001は、ファシリティ分野では世界初の国際規格で、土地、建物、構築物、その周囲の景観等を対象とし健康・ウェルビーイング、空間活用、維持管理、セキュリティ、衛生等、幅広い分野をカバーしています。現場レベルでのPDCAに加えて、組織全体の目標からファシリティ(組織体が使用する施設:建物、学校、病院、プラントなど、及び利用する人の環境:執務空間・居住空間、地域環境など)管理の目標・計画・実施からその評価・改善に至る組織全体のPDCAサイクル、及びそのサイクルを適切に回転させるための支援の仕組みを含めたシステム全体をまとめた国際規格です。
ISO 41001ではファシリティマネジメントを「人の生活の質を向上させ、中核事業の生産性を向上させる目的で、人(People)と場所(Place)とプロセス(Process)を構築された環境(built environment) 内に統合する組織の機能」としており、広い範囲の活動がその対象となります。

図 triangle of Ps’ and FM

このマネジメントシステムは土地建物や設備、施設などの固定資産を単に維持、管理するためのものではなく、経営的視点から企業や組織の顧客や従業員などの利用者にとって快適で魅力的な環境を提供し、同時にコスト低減や省エネルギーも実現することによって、組織の活動をより発展させ、持続可能にすることが目的です。

ファシリティ:組織のニーズに供するために、建設され、設置され、そして構築されたアセットの集合
ファシリティの主な例を表1に示します。

表1.ファシリティの例

建物

学校

病院

図書館

プラント

居住空間

オフィス空間

地域環境

対象組織とFMサービス内容

・ファシリティを運用している組織(ディマンド組織)
・ファシリティの維持管理及び運営の業務委託を受けている組織

ISO 41001では建物や施設の清掃、警備、メンテナンスや総合管理といった複合したサービスを顧客に提供している組織が認証の対象となります。

認証取得の効果


1.マネジメントの効率化・高度化
 ・体系化された要求事項により、ファシリティのライフサイクルを通じ組織が実施すべき活動を計画、調整、管理が可能。

2.マネジメントに関する説明責任とCSR強化
 ・ISO 41001に沿った形でファシリティマネジメントシステムを導入・運用し、第三者機関が認証。

3.ファシリティを利用する人々への貢献
 ・ワークプレイスの創造性の発揮と生産性向上。
 ・病院、ホテルなどのファシリティに訪れる利用者の満足度向上。

4.国際競争力の強化
 ・本邦民間企業が諸外国に先んじて認証取得することによる国際競争力の確保。

規格の構成

  • 4.組織の状況
    5.リーダーシップ
    6.計画
    7.支援
  • 8.運用
  • 10.改善
  • 9.パフォーマンス
    評価
4 組織の状況

4.1 組織及びその状況の理解
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
4.3 FMシステムの適用範囲の決定
4.4 FMシステム

5 リーダーシップ

5.1 リーダシップ及びコミットメント
5.2 方針
5.3 組織の役割、責任及び権限

6 計画

6.1 FM目標及びそれを達成するための計画策定

7 支援

7.1 資源
7.2 力量
7.3 認識
7.4 コミュニケーション
7.5 文書化した情報

8 運用

8.1 運用の計画及び管理
8.2 利害関係者との調整
8.3 サービスの統合

9 パフォーマンス評価

9.1 監視、測定、分析及び評価
9.2 内部監査
9.3 マネジメントレビュー

ISO 41001の普及状況

JACO(株式会社 日本環境認証機構)でISO 41001認証を取得された組織の登録証授与式の様子を「ISO 41001認証組織の授与式 一覧」ページに示します。

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事業開発部
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FAX: 03-5572-1730
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